花粉症にヨーグルトは効果がある？
今年も多くの人を悩ませる花粉症の季節がやってきました。
花粉症の予防や症状の緩和に役立つと言われる食品は数多くありますが、その中でも代表格と言えるのが「ヨーグルト」です。
テレビや雑誌など多くのメディアで取り上げられ、話題になる一方で、中には「ヨーグルトを食べても効果が感じられなかった」「症状が逆に悪化してしまった」という声を聞くこともあります。
今回は、ヨーグルトが花粉症に良いとされる理由とともに、効果的に食べるためのポイントについてご紹介します。
■そもそも花粉症とは？
花粉症とは、スギやヒノキ、ブタクサといった植物の花粉に対する免疫機能の過剰反応、すなわちアレルギー性疾患のことです。
花粉が体内に入ると異物として判断され、体外に追い出そうとして鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が発生します。
アレルギーを引き起こす物質（アレルゲン）は非常に幅広く、卵や小麦などの食べ物やハウスダストも含まれますが、花粉症の症状を持つ日本人は他のアレルゲンに比べて圧倒的に多く、なおかつ年々増加していると言われています。
しかし残念なことに花粉症の根本的な治療方法は、見つかっていないのが現状です。
■ポイントは免疫力を高めること
花粉症の明確な治療法がないとはいえ、免疫力を高めることで花粉症を予防し、症状を和らげることができるとされています。人間の免疫力を司る器官は腸だと言われていることから、腸内環境を整えておくことが重要です。
そのために必要なのは、バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠を取ること。中でも気をつけたいのが食事で、肉料理だけ、ファーストフードだけといった偏った食生活を続けると、腸内細菌のバランスが崩れ、善玉菌よりも悪玉菌が多くなってしまいます。
そこで野菜を多く摂取するとともに、整腸作用のある乳酸菌・ビフィズス菌を積極的に取り入れると良いとされています。ヨーグルトが花粉症に良いと言われるのはこの理由からです。
乳酸菌・ビフィズス菌が腸で働き、腸内環境が改善されると免疫力が高まる、その結果として花粉症のアレルギー症状の緩和にも繋がるということです。
■ヨーグルトの効果的な食べ方とは？
しかし、ヨーグルトをただ取り入れれば良いというわけではありません。きちんと効果を得るために、以下3点のポイントを押さえましょう。
1.適量を継続して食べる
ヨーグルトを食べることで腸内細菌のバランスが整い、腸の免疫機能も活性化されるわけですが、週1回、月に2～3回というペースでは、効果が感じられないのは当然です。またヨーグルトは乳脂肪を多く含むことから、過剰に摂取すると肥満や高脂血症のリスクもあります。無理のない量を毎日継続して食べることが大切です。
2.症状が出始める前から取り入れる
薬とは違い、花粉症の症状がひどくなってしまうと、ヨーグルトの効果はなかなか実感できません。そのため、症状が出始める前からヨーグルトを取り入れると良いでしょう。あらかじめ腸内環境を整えておくことで、花粉症のアレルギー症状の緩和に繋がります。
3.いろんな種類のヨーグルトを取り入れる
同じ種類のヨーグルトを食べ続ける、という人は多いかもしれませんが、実はあまりおすすめしません。ヨーグルトに配合されている乳酸菌やビフィズス菌の種類は、メーカーによって様々で、その菌ごとに特性や効果が異なります。例えば以下のようなものです。
・乳酸菌 LB81 （整腸作用、皮膚機能の改善）
・乳酸菌 LG2１ （胃で働く、ピロリ菌除去）
・乳酸菌 シロタ株 （腸内環境の改善、免疫バランスの調整）
・ビフィズス菌 BB536 （腸内環境の改善、内臓脂肪の減少）
・ビフィズス菌 BB12 （整腸作用、免疫力強化）
・ガセリ菌 SP株 （腸内環境の改善、コレステロール値の低下）
スーパーやコンビニでヨーグルトを選ぶ際には、まず自分が気になったものを2週間ほど継続して食べ、症状や体の変化を観察してみてください。
どの菌が合うかは人によって異なりますので、「効果が感じられなかった」「症状が逆に悪化した」という人は、その菌が自分に合わなかったということかもしれません。しかし自分には合わないと思ったら、別の商品を試せばいいだけです。
いろんな種類のヨーグルトを取り入れて、自分に合うと感じる菌を探してみてください。
■おすすめの食べ方・アレンジ
花粉症のためとはいえ、毎日ヨーグルトを食べると飽きてしまう！という方も多いと思います。そこで最後に、おすすめの食べ方・アレンジをご紹介します。
・ジャム、フルーツソース、はちみつをかける
自分の好きなジャムやフルーツソースを数種類用意しておけば、食べ飽きることを防げます。また、はちみつに含まれるオリゴ糖はビフィズス菌の栄養分になると言われています。
ビフィズス菌ヨーグルトとはちみつを組み合わせることで菌がさらに活性化し、より良い効果を期待できます。
・グラノーラ、コーンフレークにかける
通常は牛乳をかける方が多いと思いますが、ヨーグルトに変えるのもおすすめです。フルーツを添えることで、忙しい朝でも手軽に栄養を補給できます。
・スムージー
お好みの野菜やフルーツとヨーグルトをミキサーにかけるだけなので、続けやすくおすすめです。
最近ではホットスムージーも流行っていますが、免疫力アップ、花粉症対策という意味では、避けた方が良いでしょう。
なぜなら乳酸菌は熱に弱く、加熱することで死んでしまうからです。菌が生きた状態で体内に取り入れることを意識しましょう。
腸内環境を整えて免疫を高めることは、花粉症だけでなく、風邪や感染症予防にも役立ちますし、便秘の改善や美肌効果が期待できるなど、良いことばかりです。
積極的にヨーグルトを取り入れて、快適な毎日を過ごしましょう。
